数年前、ヘビさんがカレーを作って欲しいというので、はりきってカレーを作った。クミン、コリアンダー、カルダモン、八角、山椒とかが入ったカンカンを開けると、もうそれだけで香しい。ジャワの石臼に、パラパラ敷いて石のスリ棒でゴリゴリ擦る。いつも通りの適当インドカレーだがもうチョットもうチョットと香辛料が増えていく。
車で40分のヘビさん宅へ。日当たりのいいリビングの座卓で瞳さんも一緒に3人でカレーを食べる。からだがポカポカとあたたまりはじめる。
後日、ヘビさんからあの後大変だったと聞く。二人ともお腹が痛くなったと。
10年以上前、息子のブナがまだ保育所に通っていた頃のこと。こども日のリクエストでカレーを作る。普通のカレールーの。作っていると、むくむくと香辛料欲が湧きあがり、クミンをひとつまみ、クローブを1個などと加えていく。トマトもヨーグルトも入れて美味しそーになる。帰ってきたブナは一口食べて、なにこれムリーと言ってもう食べない。悔やんだけれど、辛いカレーはもう元には戻らない。こどもの日なのに。愚かなカレーである。いや愚かな父である。