ジャワ留学中のエピソードの続きを書こうかとダラダラしていたら、初回を読んだ方から相談がありました。
ウェブマガジンの刊行、おめでとうございます! ビジュアルも楽しめる素敵なマガジンですね! 初回のエッセーもとても味わい深いです。 どの国、どの土地にもこういう人生の達人がおられますね。 さて、問題行動悩みの相談ですが、すぐに自分の年齢を忘れるというご相談です。 否、忘れているのではなく、意識していないといった方がいいですね。 年齢相応の落ち着きがなく、初対面の人でもすぐに信用してしまう。 人になつく、好きになる、概して軽はずみなのです。 最近も近所のおじさんと文通を始めてしまいました。 若い頃ならいざしらず、いつまでたっても子どもみたいに感情がくるくる動き、自己嫌悪に陥ります。 どっしりと落ち着き周囲から一目置かれるようなオトナになるのは無理でしょうかね? 無理ですね。
年齢を意識していない、ということにはいい面もたくさんあるように思います。いい歳なんですから〜した方がいいですよとか、もう歳ですから〜しない方がいいですよとか、こんな歳なのに〜するのは恥ずかしいかなとか、から自由になれますよね。忘れてるんですから仕方がないです。
年齢相応というのも、かなり怪しい物差しです。41歳になった時に、バカボンのパパと同い年になり驚きました。今僕は51歳ですが、53歳のJリーガーの三浦和良さんには励まされます。ダンスをしているので、肉体の衰えを感じ始めていますが、ジャワ舞踊にとってはいいこともたくさんあります。筋肉に頼らないとか、若い人と張り合わないとか。
留学を始めた頃、ジャワのおじさんたちの姿に驚くことがありました。深夜屋台で甘いコーヒーやホットミルクで延々と盛り上がる。体を密着させてバイクに二人乗りする。鳥や魚を真剣になって捕まえる。たくさん集まっては地べたに座り茹でピーナツを頬張りタバコをふかす。みんな生き生きとしています。目がくるくる回り、柔軟で鋭い意見が飛び交います。20代後半に差し掛かって日本のオトナになりかかっていた僕には、高校生のように見えました。永遠の男子高生。
自分のことで振り返れば、小学6年生の頃と今の自分とでは、思考能力は変わらないと思います。高校生くらいから必要なものと余分なものを身につけてオトナになっていくのでしょう。どちらかというと余分なものの方が多いのではないでしょうか。答えにはなっていませんが、年齢を忘れるのはすばらしい能力だと思います。忘れるのは、努力しても手に入らない能力です。