カエルケチャの会場を貸してくださるKさん宅へあいさつに行く。棚田のてっぺんに家がある。前からの知り合いだが、面と向かってカエルの話をするのは初めてだ。企画書を出して、見晴らしのいいテーブルの上で向かい合っているとなにやらそわそわした様子で安納芋が、安納芋が・・・とぶつぶつ。日が差してきたので、前日植えた苗が枯れてしまうと言うのだ。カエルは分かったから、こっちを手伝って欲しいということだ。がっつり午前中いっぱい手伝うことになった。娘が育てているジャガイモの畝を指して、持って行っていいからと。軒にぶら下がった玉ねぎと草むらに生えている野わさびももらった。

 家へ帰って泥を落とし、ジャガイモを鍋に入れた。醤油、みりん、酒、砂糖を適当入れて、ひたひたになるくらい水を足した。落し蓋をして待つこと十数分、少し煮詰まってきた。小さなのに菜箸を刺して口に入れると、ぷちゅっとはぜた。ああ、びっくりした。うまいというか鮮やかな感覚だった。

そう、皮が食べたかったのだ。魚でも、食パンでも、ひよこ饅頭でも皮が好きなのだ。

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